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ジョー・パス 名盤 『ヴァーチュオーゾ』 [音楽]

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ジャズギタリスト、ジョー・パスは1973年4月、44歳のときに『ヴァーチュオーゾ』を発表しました。
『ヴァーチュオーゾ』には、「芸術、特に音楽の優れた演奏技巧上の名人、巨匠」という意味があります。

ソロギター作品である今作。
しかし、彼がこの頃にソロギターというジャンルに目覚めたわけではなく、それまでには苦難の道がありました。

ジョー・パスがまだ少年だったころ、町工場で働く父親にギターを買ってもらい、大人たちの社交の場でよくギターを弾いていました。
それは、人力のカラオケマシン、日本で言うならば流しのギタリストといったような役目です。
そうした生活を送り、彼が40歳を迎えたときには、エラ・フィッツジェラルドなどの大御所の女性ヴォーカリストの伴奏を担当するようになりました。

しかし彼は、「伴奏は歌を引き立たせるためのコードワークがメインで、ギタートリオのときのようにリードのノートを出したいが、それでは歌手の邪魔になってしまう」と思い、悩みました。
そこでジョー・パスは、いったん曲のコードをバラして、もう一度コードを組み上げ、伴奏とリードのメロディをギター1本で弾く、ソロギターのスタイルを確立させました。

そして1973年に、ソロギター界の傑作ともいえる『ヴォーチュオーゾ』を発表。
ギブソンのES-175Dから繰り出される超絶テクニック。
マイクの前でダイレクトに録られたそのサウンドからは、荒々しい激しさも感じられます。
また、今作はエレキギターに分類されるフルアコギターをアンプを経由させずに、すべて生音で収録した珍しい作品でもあります。

一曲目に収録された名曲「ナイト・アンド・デイ」は、僕も何度も聴き、TAB譜に書き出してコピーしましたが、ジョー・パスのようなスピードと正確さでは到底弾けませんでした。

1994年5月23日、カリフォルニア州ロサンゼルス、65歳というジャズギタストでは若すぎる年齢でこの世から去ったジョー・パス。
2012年に日本に再来日した、御年83歳になるジム・ホールなど、名ジャズギタリストが今でも現役で活躍する現在。
このメンバーの中にジョー・パスがいてくれたらと、『ヴァーチュオーゾ』を聴くたびに思います。


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